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地方政治における年金の問題について

 閉店前のスーパーで値引きシールの商品を求める高齢者が目立つようになりました。
これは、単に「節約好きだから」ではなく、年金だけでは生活に余裕がない人が少なくないからです。若い世代も実質賃金の伸び悩みや物価上昇の影響で、同じように値引き商品を選ぶことが増えています。
日本の公的年金制度は、現役世代が高齢者を支える「賦課方式」が基本になっています。
しかし、
1.  少子高齢化で支える現役世代が減少している
2.  非正規雇用の増加で保険料収入が伸びにくい
3.  長寿化で年金支給期間が長くなっている
といった構造的な問題があります。

特に国民年金(基礎年金)は、40年間満額納付しても老齢基礎年金が70,608円と生活費を十分に賄えない水準で、加えて場合によっては、所得税・住民税がかかる場合があり、介護保険料や国保も上乗せされ、実質6万円程度で生活しなければならないことがあります。
それに、40年間支払わなければ支給額は減額されます。これでは、厚生年金がない人は生活が厳しい状況になりがちです。

しかし、年金額を大幅に引き上げようとすると、
1.  現役世代の保険料負担増
2.  消費税など税負担増
3.  将来世代への負担先送り
という別の問題が発生します。
そのため、
1. 基礎年金の底上げ
2. 高齢者向け給付や住居支援の充実
3. 現役世代の賃金上昇
4. 高齢者が希望すれば働き続けられる環境整備
を組み合わせて対応する必要があるという議論が国会レベルで続いています。

しかし、実際には、スーパーのタイムセール商品に高齢者も若者も集まる光景は、「個人の節約努力」の問題というより、賃金・年金・物価のバランスが崩壊していることを示しています。

年金制度そのものは国の制度で、基本的に地方自治体や地方議会が関わることはできません。
しかし、地方で暮らす高齢者にとっては、年金の問題は「生活そのもの」に直結します。

特に当地では、
1.  年金受給者の割合が高い
2.  公共交通機関が少なく、自動車などの維持費や燃料費が必要
3.  医療機関や商業施設への移動コストがかかる
4.  持ち家があっても固定資産税や修繕費が必要
5.  灯油代や光熱費の負担が大きい
などの事情があるため、年金自体を増やせなくても、
1.  福祉サービスの充実
2.  公共交通の維持・補助
3.  高齢者向け住宅支援
4.  医療・介護サービスの確保
5.  買い物支援や移動販売
などで生活を支えることはできます。

また、地方議員や首長にとっても、「年金は国の問題だから関係ない」とは言い切れません。
年金で生活が維持できなければ、
1.  生活保護受給者の増加
2.  地域商店の売上減少、地域経済の縮小
3.  空き家の増加
4.  医療・介護需要の増大
といった別の形で、最終的に自治体運営そのものに影響が及びます。

地方政治の立場から見ると、「年金制度を直接変える権限はないが、その影響を最前線で受け止めるのは立場」ということになります。その意味では、高齢者の年金問題は国政テーマであると同時に、地方の暮らしや経済にも深く関わる問題です。

国民年金月7万円前後では家賃や住宅維持費、食費、光熱費、医療費を考えると単独で生活するのはかなり厳しい水準です。
そのため、厚生年金の上乗せがない人や貯蓄の少ない人ほど、スーパーの値引き品や特売日を活用せざるを得ない状況になりやすいのが現実です。

地方政治は、こういう現実を直視し今まで働いて長浜を支えてきてくれた高齢者に対して、市独自の補助を検討すべきだと思います。

掛け金を全く払わずに生活保護を受給する外国人や難民申請で保護費を受給する外国人(単身者の生活費は月約7万2千円程度、住居費は単身者で上限4万円程度、そして、医療費は無料)の受給額が国民年金の支給額よりも大きく、おまけに、介護保険料や税負担もない、さらに、医療費、NHK受信料の負担も免除されるといった不公平感がさらに進めば、高齢者の皆さんの怒りが頂点に達するのは間違いないでしょう。長くにわたり、まじめに働き、地域や国に貢献してきた人が報われないのはおかしいと言わざるを得ません。

ところで、「年金不足による地域経済の崩壊を防ぐ」ために、市議会や行政が取り組むべき具体策はいくつか考えられます。

1. 「働きたい高齢者」の就労機会の創出:
健康で働く意欲のある高齢者が、月数万円でも現役並みに収入を得られる仕組みを市が仲介する。
特に「長浜の伝統産業(黒壁観光、長浜ちりめん、固有の農業など)の担い手不足」と「高齢者のスキル」のマッチングは効果の高い方法と思います。

2.  移動コスト・生活コストの徹底的な引き下げ:
長浜市のような広大な地域では、車の維持費が生活を圧迫します。オンデマンドバス(予約制の乗り合いバス)の充実や、買い物難民向けの移動販売車へのガソリン代補助などを強化し、「可処分所得(自由に使えるお金)」を実質的に増やす。

3.  国への強力な意見書提出:
地方議会から国に対して、「基礎年金の底上げ」や「年金と生活保護の逆転現象の解消」を求める意見書を採択・提出し、地方の窮状を国政に突きつけ続けること。加えて、同じように豪雪地帯や交通弱者を抱える周辺自治体の議会と連携し、共同歩調で国に迫るのも必要でしょう。

真面目に生きてきた人が老後に報われる社会であるために、地方自治体がコミュニティと生活の基盤をどう守っていくか。これはまさに、これからの地方政治の最重要テーマだと言えます。

これは何とかしないといけません。