出る杭で胸を張れ!

仕事柄、20年以上にわたり世界中の人々と接してきた。
その中で感じるのは、成長を続ける国や地域ほど、優れた人材を見つけ、称賛し、支援することを大切にしているということだ。

これは学業だけの話ではない。
スポーツ、科学技術、プログラミング、職人技、芸術、接客、おもてなし、人への思いやり、など。

どの分野であれ、一つのことに打ち込み、卓越した能力や姿勢を持つ人は社会の財産である。

そうした人を見つけだし、敬意を払い、応援する。その結果、本人はさらに成長し、その力を社会へ還元しようとする。

そして、その姿をみて憧れた次世代が新たな挑戦を始める。私は、この好循環こそが社会の活力を生み出す源泉だと思う。

「出る杭は打たれる」という考え方で、過度な均一化を求めるようになれば、人は挑戦を避けるようになる。目立たないことが重要視されれば、失敗を恐れ、挑戦せず、才能が伸ばせない社会になる。

そんな社会から、大きな革新や飛躍は生まれるだろうか?

必要なのは、誰かを特別扱いすることではない。

学業でも、スポーツでも、技術でも、芸術でも、人への思いやりでも、それぞれの分野で輝く人を正当に評価し、称賛し、支援することだ。

他人の才能に敬意を払う社会は懐が深くなる。
挑戦する人を応援する社会は成長する。

「出る杭を打つ社会ではなく、出る杭をまっすぐ育てる社会へ。」

これが、これからの時代に必要な姿勢ではないだろうか。

私の決意

「先生、政治を志されるんですか?」

最近、外来中に患者さんからそう聞かれることが増えてきました。
SNSで政治的な発信をし、後援会参加のお願いをしていれば、そう捉えられるのも当然のことだと思います。

私がこの長浜の地に来て、27年になります。
その間、平成の大合併を経験し、東浅井郡の町がなくなり、今も病院の統廃合問題など、住んでいる地域が衰退していく姿を目の当たりにしてきました。

合併当時、行政は「合併すれば10年後、20年後は良くなる」「効率化されて更に良くなる」と言っていました。

でも、現実はどうでしょう?
私の住む湖北町では、役場が支所になり、主な手続きは長浜の本庁まで行かなければならなくなりました。

🏦 銀行の支店はなくなり
🚓 駐在所は減り
🚌 タウンバスはデマンドタクシーになり
❄️ 冬場の除雪作業も遅くなる

住民の目線から言えば、決して「良くなった」とは言えません。

以前、広島県安芸高田市の首長だった石丸氏は、
「今変えないとどうしようもなくなる。私は逃げられるが、逃げられない住民はそれでいいのか」
と問いかけ、最終的には都知事選へ転出されました。
湖北町でも、合併を進めた当時の首長は、もう長浜にはいらっしゃいません。

確かに、能力や選択肢のある人は、衰退する街に居残る必要はないのかもしれません。

でも、私の目の前にいる患者さんや、施設に入所されている方々はこの街から逃げることはされません。ここで生き、ここで暮らしていく方々です。

そのような方たちの暮らしと命に責任を持つことこそが、地方政治の、そして地域医療の役割ではないでしょうか。

私は、逃げません。
この街に踏みとどまり、皆さんと一緒に、安心して暮らせる長浜の未来をつくっていきます。

地方の病院だからは言い訳にできない

病院再編を急ぐ理由に「働き方改革で大学が人を出さない」という理由を市は主張しています。地方の病院だからは魅力がなく、医師不足だから仕方がない。だから合併。

本当にそうでしょうか?

実は全国には、人口が少ない地域でありながら、全国から若手医師が集まり続ける病院があります。

その代表例が、千葉県房総半島の先端鴨川市の亀田総合病院と沖縄県の本島中央うるま市にある沖縄県立中部病院です。

鴨川市の人口はわずか3万人余り。それにもかかわらず、亀田総合病院には全国から研修医や専攻医が集まります。

沖縄県立中部病院もまた、日本を代表する臨床研修病院として知られ、多くの若手医師がその門を叩いています。

両病院に共通するものは何でしょうか。

それは、
✅ 充実した教育体制  ✅ 豊富な症例経験  ✅ 診療科の垣根の低さ  ✅ 「断らない救急」の精神

です。

私の恩師は、亀田総合病院の救急医療体制の立ち上げに携わった医師でした。

その先生の口癖は、

「とにかく受けなさい」

でした。

私が勤めていた帝京大学病院救命救急センターには「受けません」という言葉はありませんでした。「ICUは満床ですがとりあえず連れて来てください」と赤電話(東京消防庁とのホットライン)で答えていたことを思い出します。そのため、廊下までストレッチャーが並ぶことも珍しくなく、それでも目の前の患者を断らない、それが当たり前でした。
もちろん、断らない救急は簡単ではありません。医師だけでなく、看護師やコメディカルを含めた組織全体の覚悟と教育体制が必要です。

しかし、地域医療を守るために本当に必要なのは、「人がいないからできない」と考えることではなく、「若手医師や看護師、コメディカルが集まりたくなるような病院をどう作るか」を考えることではないでしょうか。

これからの地域医療は、地域から選ばれる病院だけでなく、若手医師から選ばれる病院づくりが鍵になるのではないでしょうか?

交通費の支援

区間所要時間 
乗り換え最短の場合
新幹線利用区間料金
長浜~大阪1時間45分なし1,980円
長浜~大阪1時間1分米原~新大阪通常
4,510円
EX利用
3,900円
長浜~大阪1時間18分米原~京都通常
2,970円
EX利用
2,720円

長浜には若者が楽しめるところがないと言われています。

多くの若者が岐阜本巣のモレラに行ったり、大阪や京都まで出かけたりします。
長浜に娯楽施設を呼び込めるとは思いませんが、月に一度ぐらいは若い世代が京都や大阪に気軽に行けるのはいいのではないかと思っています。ただ交通費や時間がかなりかかります。

例えばJRに乗って大阪まで行くのに、片道2,000円弱で済みますが、時間が2時間弱かかります。 米原から新幹線であれば1時間弱で行けるのですが、費用が片道4,500円以上かかります。
覚えていらっしゃる方もいるかと思いますが、以前、近江長岡まで行けば、米原から新大阪まで新幹線を使った安い切符を買うことができました。
現時点で、同じような割引切符はEXプラスというJRのアプリまたはカードで購入することができますが、1日前までの購入やクレジットカードの登録が必要なため、子供たちが簡単に使うということはできません。


市がJRと協力して、このような割引切符を市役所や支所の窓口で販売し、若い世代が大阪や京都に気軽に出かけられる仕組みを後押ししてみてはいかがでしょうか。
市の持ち出しがなくても長浜-米原ー京都ー大阪の切符で米原ー京都間のみ新幹線利用と言うことにすれば、現在のEX割引と在来線利用の片道料金は800円ほどの差に収まり時間は1時間ほどに短縮されます。
京都での乗り換えが面倒と言う方には2000円ほど高くなりますが、新大阪までのチケットというオプションも可能でしょう。


都会には色々魅力があり若い世代が憧れるのは仕方ありません。めったに行けないからこそ、強く憧れるのであり、身近なところと感じられれば、それ程憧れは抱かなくなります。
月に一度でもお小遣いの範囲で都会に出かけることが出来れば、長浜の良さも再認識でき、若い世代の地元定着率も少し上がるのではないでしょうか?また、デジタル弱者の高齢の方の利用にも資することができるでしょう。

長浜からミシュラン店を目指そう

長浜・湖北地域には、発酵文化、湖魚、近江牛、近江米、日本酒、歴史的町並み、琵琶湖・竹生島・北国街道・北国脇往還という、世界に通用する食と歴史的背景があります。

しかし現状では、それらが都市のブランディングとして十分に発信されているとは思えません。

これからは、単なる観光PRではなく、美食都市宣言を含め、料理人、生産者、酒蔵、宿泊、交通、観光事業者を束ねた「長浜・湖北ガストロノミー戦略」を行政主導で打ち出し、食を目的に訪れる高付加価値観光地を目指すべきでしょう。

その結果として、ミシュランを含む国内外の評価機関が長浜・湖北を調査対象として認識し、国際的に評価されるレストラン、宿が誕生する可能性が高まります。

福井、石川に多くのミシュラン店が誕生したのは新幹線開通に合わせて行政も参加して北陸の魅力を積極的に発信したからです。滋賀の長浜にもそれらの店に負けないすばらしい飲食店があります。積極的な観光支援で長浜を通過地点ではなく、目的地に変えていく必要があります。

これからも私はそれらを積極的に発信していきます。

移動手段の確保について

長浜・湖北地方では、高齢者世帯や免許返納者の移動支援、そして深夜帯の交通手段の確保が、これからますます重要になります。事実、長浜市では午前1時から5時までタクシー会社が閉まり、全ての公共移動手段がなくなります。

医療機関、買い物、役所、銀行、郵便局、そして地域活動に参加するための移動。

観光客については、夜間の飲食・宿泊・イベント参加のための移動。

これらを支える交通手段がなければ、暮らしの安心も観光誘致も広がりません。

現在、デマンド型タクシーという手段はありますが、行先は限定されており、Door to doorではありません。長浜市内の眼科に行くには病院までデマンドタクシーで向かい、そこで地元のタクシーに乗り換えるという非効率な事実があります。また、デマンドタクシーは前日までの予約が原則で、対応しきれない時間帯や事前登録が必要などで利用者層が限定されます。

1 高齢者向けの移動支援、2 免許返納後の生活交通手段の確保、3 深夜帯の交通手段の確保、4 観光客向けの交通アクセス のために地域の実情に合った複数の交通手段を組み合わせることが必要でしょう。

現在ライドシェアはタクシー会社の管理の元に実施とされており、「2日前から買い物に連れて行ってほしいと頼まれた隣のおばあちゃんを、手が空いているからちょっと載せていってあげる」というような現実的な需要に応答が出来ません。

“移動できる安心”は、地域の暮らしを守り、観光の可能性を広げるインフラです。

長浜・湖北の未来のために、交通手段の選択肢を広げていかなくてはなりません。

病院問題について

安全や安心は、いわば「持ち出し」を前提とした事業です。

消防、治安維持、防災が、目に見える利益を生み出すものではないのと同じように、国民皆保険制度の下の医療や介護も、本来利益を生む事業ではありません。

だからこそ、まず考えるべきは、

「地域として、どの程度の負担を引き受ける覚悟があるのか」

そして、

「その負担の範囲内で、いかに経営を成り立たせていくのか」

ということではないでしょうか。

地域の人口構成を見ても、2035年頃までは、現在に近い医療需要が見込まれます。

だからこそ今、各病院の特色を生かしながら、収益力を高め、赤字幅をできる限り縮小し、それぞれの役割と機能を維持していくべきだと考えます。幸い長浜にある病院のポテンシャルは、十分に高いものがあります。

長浜に住む人たちに、安全と安心を提供することこそが、行政の大切な役割です。

具体的に挙げればきりがないほど、やれること、やるべきことはたくさんあります。

湖北の誇り

27年前に湖北の地に移りクリニックを開業しましたが、開業当初に忘れられない思い出があります。

既にその方は鬼籍に入られましたが、当時は60代だったと思います。診察の際に「先生、湖北に移ってこられたのであれば、小谷城、浅井三代、賤ケ岳七本槍はこの地の誇りだから、知っておくにこしたことはない」と言われたことがあります。歴史は以前から少し興味があったので、そのお話を伺ってから、小谷城や浅井三代、姉川の合戦、賤ケ岳合戦やそれにまつわる史跡などを時間をみて訪れました。

それからも診療の現場で、それらの話題が出たことは数知れず。小谷城、浅井三代、賤ケ岳七本槍は、まさに湖北人のプライドであり、未来へ語り継ぐべき郷土の宝なのかと実感しました。

小谷城は、湖北に住む人々にとって単なる史跡ではなく、郷土の精神を映す象徴で、浅井三代の歴史、彼らの家族や家臣を思う義の心、そして戦国の荒波に立ち向かった気概は、現在もこの地に息づいているのかと感じられました。また、賤ケ岳七本槍の勇名は、湖北が幾多の勇将を育んだ土地であることを物語るものかと実感することが出来ました。

現在長浜は黒壁を中心に観光地として知られていますが、小谷城や浅井三代、賤ケ岳の歴史、さらに北国街道や北国往還も、湖北の歩みを伝える重要な観光資源であると考えます。

これらを結びつけて発信することで、長浜を単なる町歩きの地にとどめず、戦国の記憶と街道文化が重なる深い魅力を持つ地域として、より広く注目される可能性があると考えています。

市立湖北病院に対する私の考え(2)

今回は湖北病院の建設が進まない事態について、その原因をお金の話を元に進めたいと思います。

現在、湖北病院の建て替え・増改築予算は、長浜市の資料から次の通りです。

項目内容
現在の病床数140床
建て替え後の病床数120床に縮小予定
新病院棟の延床面積約9,000㎡、設計資料では最大9,232㎡
既存棟改修約5,400㎡
敷地面積48,358㎡
病院建て替えの概算事業費約101.8億円(税込)
老健「やすらぎの里」整備約15.3億円(税込)
直近の全体概算総事業費約117.1億円(税込)

2024年の基本計画では、4階建て延べ約9,000㎡とされています。なお、現在の本館は延べ11,769㎡です。更に、2025年のプロポーザル設計記事では、新棟4階建て延べ9,232㎡で概算総事業費は117.1億円(税込)とされています。

これは実際に施設建設に関わった者からみれば少々割高な印象を受けると思います。

勿論、費用の妥当性は内装などにより大きく異なりますが、一般的に医療介護施設が建物建設時に借入を起こす福祉医療機構(WAM)の資料を根拠に2024年時点で大まかには、建物本体の建設費だけで次の表の内容程度です。

施設前提単価計算概算建設費
120床の病院約2,565.6万円/床2,565.6万円 ×120床約30.8億円
80床の介護老人保健施設相当約1,743.5万円/床1,743.5万円 × 80床約13.9億円

(福祉医療機構(WAM)の2024年度調査で、病院は平米単価44.2万円、1床あたり58.0㎡、1床あたり建設費2,565.6万円。老健は参考値ですが、平米単価41.1万円、1床あたり42.4㎡、1床あたり建設費1,743.5万円とされています。)

これは新築の建築工事費ベースの粗い目安で、実際の総事業費は、これに設計監理費、医療機器・什器、厨房・リネン設備、外構、造成、解体、仮設、消費税、物価上昇予備費などが乗り、ざっくり次のような感じになります。

施設建物本体の目安総事業費のざっくり感
120床病院約31億円39〜52億円程度
80床介護施設約14億円17〜23億円程度

湖北病院のように一般・地域包括・療養の混合型で、過度に高度急性期設備を持たない前提であれば、総事業費で60〜75億円程度まで見ておくと現実的だと思われます。

これには取り壊し費用が含まれていません。これも公表されているデータを元に算出すると、延床面積・構造・アスベスト・地下躯体・医療設備残置で大きく変わりますが、粗いレンジで出します。大まかには、140床の病院の取り壊し費用は2.5億〜4億円程度を見ておくのが現実的です。また、介護施設の解体は80床程度であれば1.5億~2億円程度とされています。

実例として、旧和泉市立病院の解体工事では、延床約15,963㎡相当で落札金額が5億7,638万円でしたので、取り壊しに5億程度と考えれば大きな差はないはずです。

設計図面などはみていませんが、あくまで公表されているデータをもとに考えれば80億円あれば病院の建て替えは可能とみます。これが2024年データで、それ以降物価高騰で15-20%程度上昇いているとのことなので、90-95億円程度あれば建て替えは可能であるとデータからは読み取れます。

また、設計も4階建てになっていますが、施設は平屋が建設費の面でもランニングコストの面でも優れているので、周辺に広い土地のある湖北病院であれば、低層建設も十分に可能かと思われます。

現状、予算不足で建てられないというのであれば、建設コストを見直し、竣工後のランニングコストを抑える方法を検討して、現在出せる費用に近づけて早く建設に取り掛かるのが現実的です。放置すればするほど資材・燃料・作業員確保等にかかるコストは急増し、どんなに工夫しても建てられない状況に追い込まれるのではないでしょうか。

一般家庭では車を買う時予算がなければグレードを落とす、車種を替えるのは普通のことです。

病院・介護施設という機能が維持されれば、現実的に建て替えが早く進められる方法を模索すべきと考えます。

市立湖北病院に対する私の考え(1)

市立湖北病院(公称140床:一般48床・地域包括ケア35床・療養57床、隣接する介護老人保健施設湖北やすらぎの里:84床、通所定員:10名)の建て替えが進みません。

その理由は「財源不足」ということですが、今まで医療機関を運営し、介護施設を建設した経験からすれば「何故?」という思いです。

実際湖北病院は長浜市北部地域の救急初期治療や高齢者医療・介護の「要」で、なくてはならない医療機関です。

もし、湖北病院がなくなれば、木之本以北で事故や急病があれば搬送が現在より20分以上余分にかかり、2次治療の開始が遅れが「助かる命が助からない」ことになりかねません。

また、木之本や余呉町の山間部の診療所は湖北病院が医師を派遣しており、現在は金居原、杉野、中河内などがこれにあたります。旧伊香郡域では、個人の開業は2015年を最後に10年以上なく、人口背景を考えれば、新規の個人開業については期待が出来ないのが事実です。(令和8年3月現在、旧伊香郡域の人口は20,935人で人口密度は約55人/km2、これは旧長浜市の人口密度1315人/km2のわずか20分の1に過ぎません。)

これらの点を踏まえても、湖北病院はこれからも長浜市北部の重要な医療機関であり、老朽化を放置するのではなく、早急に建て替えを進めないとなりません

(次回は建て替えに関わるお金について、「本当に財源不足なのか?」考えてみたいと思います。)