老々介護の現場から

「誰も助けてくれへん…」 涙を流す“老老介護”の現実
70代後半の女性患者さん。
「腰も足も痛い。でも夫の介護をする人がおらへん」 そう言って外来で涙を流されました。
介護保険が始まって20年以上。それでも今なお、介護する高齢者自身が限界まで追い込まれています。
老老介護とは?
高齢者が高齢者を介護すること。特に多いのが70〜80代の妻が、認知症や病気の夫を介護するケース。
でも、介護する側も、
✔ 腰痛 ✔ 膝痛 ✔ 持病 ✔ 不眠 ✔ 孤独 を抱えています。
「他人に助けを求める余裕すらない」それが現実です。
介護保険はあるのに… 機能していない。「制度がある=安心」ではありません。
実際には…
✔ 特養入所は要介護3以上が原則
✔ 入所費用も国民年金だけでは費用負担が大きすぎる
✔結局は家族、それも夫婦間頼みの介護
“介護保険料を払っていても、十分使えない” ”とられているだけ” と感じる高齢者は少なくありません。
そして、もう一つの大きな壁、それは「情報格差」です。
高齢者の中には…介護保険で何のサービスがあるかすら分からず、どこに相談したらいいかも分からない。おまけに、ネット検索ができない、役所で渡される書類が難しい。
結局、 「周りに迷惑をかけたくない」と我慢してしまう。そんな方が本当に多いです。
今、介護保険制度以前に、その“制度へすらたどり着けない”問題が横たわっています。
その結果…
おばあちゃんが1人で全部抱え込んでしまう。
✔ 通院 ✔ 食事 ✔ 排泄介助 ✔ 夜間対応 ✔ お金の管理まで、
とっくに限界でも、「私がやるしかない」と耐え続ける。
そして、思いが余って外来で涙を流される。これは決してめずらしい話ではありません。
今、本当に必要なのは
「制度を肥大化させ、サービスを増やすこと」ではありません。
”サービスの利用が分かる”、”サービスに利用者がつながれる”、そして、”その制度が頼れる”ことこそが重要です。
地域の仕組みとして、
✔ 分かりやすい説明
誰が? 本当は市役所の担当者やケアマネージャー、でも一人一人に対応しきれていない。
✔ 気軽に相談できる窓口
どこに? 本当は市役所や支所の福祉課、でもおばあちゃんが一人でどうやって行く?おまけに家族が連れて行ってくれる可能性のある土曜日は役場が休み。
✔ デジタルが苦手でも届く情報
どうやって? 分かりやすい案内を作成し、どこでも手に入るように置いておくべき。外国語の案内書類よりよほど大切。
✔ 地域で支え合う空気
できるの? 周辺の若いとよばれる住民でさえ60代。おまけに年金だけでは生活できないので60代でもほぼ就労。どうやって支えあう?
問題は山積です。
でも、介助者の孤立を防ぐことが重要です。
長浜で、家で介護をしながら涙を流す高齢者を1人でも減らしたい。
そして、遠慮なく 「助けて」 と言える地域に。
医療・介護・地域が本当に有機的に作用できる長浜を作っていかなけれなりません。
介護は、“家族だけの問題”ではありません。誰もが当事者になります。
まずは、この現実を知ってください。
あなたの周りに、1人で抱え込んでいる方はいませんか?
いたら、一言かけであげてください。
「大丈夫ですか?」と。
